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諸鈍~俵 雨とカラス天狗 [九州編その2]

2010年4月23日 金曜日 167日目 曇り空。雨予報だが、雲には切れ間もあるし、降ってもたいしたことないと高をくくって出発。 諸鈍から秋徳(あきとく)方面に向かって坂道を登る。そろそろなんとなくカケロマがわかってきた。どの村々に行くにも、必ず山越え峠越えをしないと行けないことになっているようだ。それは海岸沿いの道でも同じで、きっちり標高で100mとか150mとか上がってから下る。 そういう島だからか、出会った人ごとに自転車旅を驚いてくれる。 そうして秋徳に向かう坂道で出会った花田さんと徳田さんも、驚いてくれた。二人は道路脇の草刈り作業中で、そこで立ち止まって少しお話する。花田さんは大阪からの移住組で、嘉入(かにゅう)という集落に住んでるからぜひ寄ってお茶でも飲んで行ってくださいと言って下さる。 2人と別れて秋徳の集落に入り、花田さんに教えられたとおり三差路を右に走って小学校の脇を抜ける。さっきから降り始めた雨が、やや本降りになってくるが山の中なので雨宿りのしようがない。 古い神社の横を通るとき、雅楽のようなメロディーの笛の音が聞こえた。誰かいるのか?仙人みたいな人がいるのであろうか。 登りがきつくなり、ジグザグに道路を走って漕ぎつづける。雨で湿った道路脇の苔の上で、前輪を滑らせてこけてしまった。 登りなのでスピードは出ていなかったからダメージは小さいが、それでも左膝を地面にぶつけてしまう。左手の平をついてかばったので、そこも痣のようになっている。自転車は無事。 旅に出て初めての転倒。記念に1枚。 DSCF2830.jpg 雨で滑る上、坂が急になってきたので押して歩く。歩きながら、やっぱ今日は出発しないで諸鈍でもう一日停滞していたらよかった、とか考える。 雨が大粒になったが避難するところがない。やっと見つけた道路外の山のそばに生えた木の下で休憩。 すでに服はびしょ濡れなので、カッパを着ても意味がない。このままでもいいだろう。自転車のバッグにカバーをかけて、大事なものが入ったフロントバッグは、ゴミ袋をかけて防水する。 3つの「あ」、の原則違反である。「雨の日は走らない」。それは風邪をひいたりアクシデントに遭い易いから定めた決まりごとだが、案の定転倒してしまった。 山の中からまた、笛の音が聞こえる。さっきの神社からもうかなり離れているのに同じ音色である。誰が吹いているのか姿が見えない。ずっとついて来たのか?後ろから誰かが来ていた気配はなかったから、道路を通らずに山の中を渡ってきたのか? カラス天狗がいるのかもしれん。カケロマの山の中にはカラス天狗が住んでいるに違いない。 小雨になったのを見計らってまた自転車を押す。きっちり200mほど登って峠越えし、佐知克(さちゆき)の集落に下りる。小さな村を5秒で通り過ぎるとまた登り返しの始まりである。 DSCF2831.jpg DSCF2832.jpg 勢里(せり)、於斉(おさい)と、登りくだりを繰り返す。島の西側の道をたどってきたが、米や缶詰が少なくなって来ているので、ここは一旦島の東側に出て、瀬相(せそう)というフェリー乗り場のある港町に出る。於斉からここは、トンネルがあって楽できた。 瀬相は思ったより小さな集落で、これなら諸鈍のほうが大きいくらいである。昼になったので、目に留まった黄色いプレハブ小屋の食堂に入る。 DSCF2833.jpg DSCF2834.jpg DSCF2835.jpg 中は温かく、ヨッシーの濡れた衣服から蒸気があがる。親子丼450円をお願いする。 大阪暮らしが長かったという大将の味付けは、関西風味の甘目な感じで懐かしかった。くも膜下出血と動脈瑠破裂で倒れ、命は助かったが足が不自由になってカケロマに帰ってきたと話してくれた。先日、巨人の木村コーチが練習中に倒れて、残念ながらお亡くなりになったのも、くも膜下だったとおもう。よく死ななかったものである。 このお店は昨年の皆既日食の日に合わせてオープンさせたと、当時の写真などを見せてくれた。 腹が満ちたらつぎは買い出しである。すぐそばの商店に入る。ここにはお弁当が売っていたので、晩御飯用に買っておく。あとはパンや缶詰を手に入れた。米は5キロ入りしかないからあきらめた。 さっきまで小雨だったのが、また降り始めた。港のフェリー待合所に入って雨宿りする。テレビがついていて、暇つぶしにちょうどいい。濡れた恰好で寒いので、上からカッパを着て暖かくする。 今日はここで泊まるか、もう少し先まで進むか、逡巡して2時になった。まだ雨はやまない。手元の観光地図によると、次の俵(ひょう)という集落には公衆トイレがある。そのあたりで公民館などあればいいと、意を決して出発する。 距離はそんなにないのと、ここにもトンネルがあったので難無く到着。水浸しになったゲートボール場の横に。公衆トイレのついたコンクリートの建物があり、「俵レストハウス」、と書かれている。ありがたい。自転車のまま休憩所の中に入ると、地元の中学生達3人が、カード対戦?ゲームをしている。 DSCF2842.jpg DSCF2844.jpg DSCF2845.jpg DSCF2846.jpg DSCF2847.jpg ここで着替えてしまい、やっと暖かくなった。雨はもう本降りで、ちょっと止みそうがないので今日はここ泊まりに決める。 ラジオは電波が入らない。携帯も入らないので、情報がなんにもない。 夕方頃、またカラス天狗の笛の音が聞こえる。姿は見えない。 遊んでいた子供達が帰ってから、レストハウス内にテントを立てる。晩御飯はさっきの弁当とチキンラーメン。 気温が下がってかなり寒い。もう寝袋に入って休む。 走行 21キロ 出費 1272円 (親子丼、パン、弁当、ベビースターラーメン、発泡酒)
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コメント 2

かづ

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雅楽の犯人は 紅天女かもしれません!!※ガラスの仮面参照

ヨッシーさん怪我だいじょぶですか??
『雨の日は走らない』・・【かづの娘】にも読ませたいと思います!
遠く離れていますが、、応援していますよ~^^
by かづ (2010-04-30 15:25) 

旅人 ヨッシー松田

TITLE: Re: タイトルなし
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かづさん

紅天女?観たことないけど、そうかもしれん!今度はもっと目を凝らして見よう。

> 雅楽の犯人は 紅天女かもしれません!!※ガラスの仮面参照
>
> ヨッシーさん怪我だいじょぶですか??
> 『雨の日は走らない』・・【かづの娘】にも読ませたいと思います!
> 遠く離れていますが、、応援していますよ~^^
by 旅人 ヨッシー松田 (2010-05-04 12:25) 

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